文藝春秋で元側近が告発小池百合子“学歴疑惑”再燃、定例会見で記者は切り込めず?都知事は逃げ切れるのか
月刊文藝春秋で小池百合子都知事の「学歴」問題に関する元側近の告発が出てから2日後、初の定例会見が開かれました。会見では東京新聞の記者が、2020年6月に在日エジプト大使館のFacebookに掲載された「カイロ大学卒業」旨の声明について、元「都民ファーストの会」事務総長・小島俊郎氏が「小池氏側が起案・修正し、大使館に掲載を依頼した」と告発した点をただしました。カイロ大学が自発的に声明を作成した可能性は低く、疑惑隠蔽のための工作だったとする内容です。
これに対し小池氏は、記事の存在は承知しているとしつつ「大前提が違う。私は卒業しており、大学も認めている。卒業証書と卒業証明書は既に公表・説明してきた」と従来の主張を繰り返しました。さらに「騒ぎは2020年6月、都知事選の直前でも起きた。選挙のたびに同じだ」と、タイミングの政治性を示唆。一方で、問題の大使館声明の作成経緯や誰が文案を作ったのかといった核心には踏み込まず、やり取りは平行線のまま終わりました。
ネット上では当時の投稿のスクリーンショットや翻訳、過去発言との齟齬など追加材料が掘り起こされていますが、真偽の最終確定には至っていません。今回の会見は、報道で浮上した新論点(声明の起案ルート、第三者関与の有無)に対する具体的な一次資料の提示がなく、記者側も深掘りしきれなかった印象です。
今後の焦点は五つ。第一に原本の開示です。卒業証書・証明書の発行日、署名者、シリアル番号、原語表記など、検証可能な要素の明示が信頼回復の近道でしょう。第二にエジプト側の関与経緯。大使館・大学の公式回答だけでなく、依頼メールやメタデータといった客観資料の有無が鍵です。第三に第三者検証の枠組みづくり。都議会や独立委員会によるファクトチェックが望まれます。第四に法的手段の行方。名誉毀損や選挙妨害を巡る訴訟に発展するのか。第五に都政への影響。説明責任の不履行は、政策遂行や与党会派との関係にも波及しかねません。
履歴書の一行が信用のすべてを左右した昭和世代にとって、学歴の真偽は軽い話ではありません。だからこそ、政治家は“言い切り”ではなく、静かな事実提示で疑念を解くべきです。次回会見での一次資料の全面開示と、第三者立ち会いの検証に期待したいところです。読者の皆さんは、感情よりも証拠、言葉よりも記録——この二点を物差しに、続報を見定めていきましょう。